KAAT×城山羊の会「温暖化の秋」を観ました。
この日、夏が終わってから初めて、トレンチコートを出しました。
気が付けばもう11月の中旬。
もうすぐ冬なのに、最近あったかすぎませんか。
そんな温かい秋の夜に、ちょうどよいお芝居を観てきました。
KAAT×城山羊の会「温暖化の秋」
人気なのは、知っておりましたが、今回お初の団体のお芝居。
KAAT神奈川芸術劇場は、職場にも近いし、仕事柄、なじみのある劇場でもあります。
昔、役者として立ったこともあります。ホールも大スタジオも中小スタジオも完全制覇しました。
アマチュア舞台ですけどね。
その舞台に、私が最も推しているお笑い芸人、シソンヌのじろうさんが立たれるというのだから、こりゃ観に行かないわけにはいかない。
劇団も有名だし、シソンヌも単独ライブは即完だしということで、神奈川県での公演だけど、すぐに売り切れてしまう可能性は十分にあると思ったので、先行販売の初日の初動にスマホをポチポチ。
すでに残り僅かになっている座席表だったけれど、なんとか良席を探し出し、購入できました。
今回仕事終わりに直接徒歩で向かいました。職場から劇場までは歩いて30分弱。
ずっと楽しみにしている舞台だったから、その歩いている時間も何だか短く感じられた。
劇場入りする前に、食べると決めていた、劇場近くのお蕎麦屋さん、「味奈登庵」でおいしいお蕎麦を食す。
じろうさんも、もしかしたら行ったかもしれないな~?とか、考えながら。
幸せな気分で食べるご飯は一人で食べてもとてもおいしい。
満足して劇場入り。
上演時間は100分とのこと。
有料のパンフレットがあったら買うと決めていたけれど、販売しておらず、代わりに上演台本とか、DVDが売っていたので、今回の芝居の上演台本を購入した。500円は安すぎたし、結果的に買ってすごくよかった。
ただ、楽しみすぎる反面、心配なこともあった。
この芝居はどうやら、私が独自で調べた前情報によると、笑いはあるけれども基本的に、音楽のない、静かな会話劇なのだそうで。
最近本当に申し訳ないのだが私は観劇中に眠くなるというか、記憶が飛ぶというか、そういうことが本当に多くて、いつも終わった後、損をした気分になってしまう。
難しいセリフとか、難しい展開とか、理解しなきゃと思いすぎて脳が途中で疲れ切ってしまうのです。あと危ないのは食後。お腹いっぱい食べた後は、睡魔がいつも襲ってくる。
これは本当に今悩んでいる。それで最近観劇も積極的に行けていない。すみませんと思っている。
もしこの芝居が少し考えながら観るべき芝居とかだったらどうしよう。
仕事中、カフェインも飲んできたし、お蕎麦も、食後眠くなりにくいらしいから選んだけれども…
全然する必要のない、緊張の中、お芝居の幕が開く。
静かな会話劇と「笑い」が、観る前は結びつかなかったのだけれども、観て納得(笑)。
(以下、ほんの少しのネタバレ)
最初に登場した、男女のカップル(橋本淳さん、趣里さん)の会話、確かにすごく静か。普通の会話、よりちょっと小さい、でも二人同士の会話なら普段だとこれくらいで喋るよねっていうボリューム。下手したら聞こえない。内容も軽いものが続く。
だからこそ延々と聞いていられた。聞きたい!という気持ちにさせられた。
延々と聞いていられる会話の途中で新しいカップルが出てくる。そしてまた交流が始まって、また延々と聞いていられる会話が始まる。
長年観劇している中で、ほとんど味わったことのなかった感覚でした。
舞台は、特に小劇場は、声が大きいものが多いから、聞いて!と言われてるみたいなことも多いから、こちらも聞かなきゃ!という気持ちになって疲れてしまったりもするんだけど、こういうふうに、ただただ人が会話する。
芝居が始まる前の客席とかで、思わず耳を傾けてしまう近くの席の友達同士や仲間同士の会話、みたいな。
最初からひきこまれたし、全然、眠くならなかった。笑った。
そして楽しみだったシソンヌじろうさん。
びっくりするくらい役者だったなあ。ドラマの役者ともまた違う、舞台の役者。
有吉の壁ライブで、女装してセクシーにABBAまがいの歌を披露していた人と本当に同一人物???と目を疑ったわあ。
女装もせず、変な声も出さず、大声も出さないじろうさん。でもちゃんと笑いはもっていくんだ。
新鮮でした。こんなこともできちゃうんだねー、やっぱりすごいよ。
そして改めて思ったけど、体が大きくて存在感ある。他の役者の方々がわりと小さめで細い方たちばかりだったからなおさら。
横にいつも更に大きい長谷川さんがいるから、あまり気にならなかったけど(笑)
1年に1回くらいは、こういうのも観れたら素敵だなー(芸人、コントは絶対辞めないでほしいけど)
他の役者さんも、全員、本当に素敵だった。趣里さん、まだ世の中にあまり出てない頃から、舞台で観ていたけど、来年は朝ドラのヒロインだもんな。そのヒロインという肩書きがちょっとかすむくらい、演技抜群だった。
橋本淳さんは「これは経費で落ちません」で観たな。あのもてる感じがよかった。かっこよかった。天然さのにじみ出し方がじわじわくる。
みなさんあの会話劇の中、台本の文字をなぞりながら、どうしてあんなに自然に絶妙なニュアンスが出せるのかしら。と感心しながら、とても楽しんだ。
あとは、暗転のタイミングとか、色々斬新な場面も、ちらほら。
一人で観劇していたけれど、もし友達と来ていたら感想合戦楽しかっただろうなー、と思ったら、退場後、偶然同じ回を観に来ていたお友達を発見したw
その再会も含めて、とてもたのしい素敵な時間でした。
購入した台本を読んで、にやにやしたいと思います(笑)