映画「私をくいとめて」を観てきました
映画『私をくいとめて』本予告 〈12月18日全国ロードショー〉
先日、テアトル新宿にて、「私をくいとめて」を鑑賞してきました。
以前観た「甘いお酒でうがい」がとっても良く、同じ大九明子さんの監督作品ということで、SNSでも評判が良く、またまた私好みの映画っぽかったので、観てきました。
原作は芥川賞作家の綿矢りささん(蹴りたい背中、読んだなあ、なつかしい)。
松岡茉優さん主演の「勝手にふるえてろ」と同じ原作と監督の、再タッグだそうで(これも面白かった)
ストーリーは、ごく単純で、
おひとりさま生活を謳歌している独身の女の子が、脳内の相談役Aとともに過ごし、会話し、外の世界では仕事や旅行をし、周りの人たちと交流しながら、一人の男性といい雰囲気になったりし、という、ありふれた物語ではあるのですが(脳内の相談役Aというのは特殊か)…。
どうしてこうも、2時間強という決して短くはない時間、ずっと惹きつけてくれるのだろうね。
まず、
主演ののんさんが、ひたすらに可愛い
「あまちゃん」の時から思ってましたが、普通っぽさの中に真似できない個性が光る、唯一無二の女優さんですよね。代わりがきかない。
可愛いのはもちろんなんだけど、すごく不思議なんだけど、場面場面で顔が違うのですよ。例えばアップになった時と引きになった時、同一人物ではあるんだけれども、それぞれ別々に魅力的で、一人だけのシーンが続いても、本当に飽きない。
あと、ちょっとたどたどしい、のんさんの独特な喋り方って、普通に考えたら演技に向かないような喋り方なんだけど、喜怒哀楽それでちゃんと表現できてしまってるところがすごい。
だから、本当に心から出た言葉と信じられるのですよ。
もっとたくさん色んな映画やドラマに出てくれたらいいのになあ、と、切実に思いました。
のんさんと橋本愛さんのあまちゃんコンビの再共演にも密かに感動
アキちゃんとユイちゃん(あまちゃんでの役名)越しに観てたのは私だけではないはずだ(笑)
また「あまちゃん」を観たくなっちゃった。
みつ子(のんさん)の恋するお相手の多田くん(林遣都さん)も、みつ子同様、ちょっとヘンで、恋に不器用ってところがよかったな。
私はいつもこういうキャラクターに弱い。
林遣都さんも、不器用なイケメンを演じさせたらピカイチというか(賞賛してます)、こういう人いるなーって思わせてくれる。
実際、いる(笑)。
見た目、目鼻立ちはっきりしてて、かっこいいんだけど、どこか惜しいというか残念というか、女慣れしてない、不器用な人。
こういう人と恋ができるみつ子は幸せ者だなあ。二人のシーンはいつもほのぼの、温かい気持ちにさせてくれました。
実際外から会話を聞くと、「いや、これで両想いじゃなかったらおかしいでしょ」ってなるんだけど、本人同士はなかなか確信を持てないのだよね。分かるなあ。
こういう会話、ずっと聞いてられるわあって、なりました(笑)
付き合う寸前が一番楽しいよね、なんて(笑)
脳内相談役Aが、中村倫也さんの声出演のみというなんとも贅沢な使い方で(笑)驚きました。姿は前野朋哉さんという、なんとも丁度いい感じで(キャスティング天才)
脳内とめっちゃ会話してたな、みつ子。
あれは自分なのに、自分と会話することで怒ったり泣いたり、落ち着いたり。
ちょっとおかしくも見えるけど、実際自分も経験あることかもしれない…と思い出しながら…確かに、脳内に自分をほめてくれる人はいるかも。
他にも、その人のおかげでこの仕事が続けられてるという先輩(臼田あさみさん)、ヘッドハンティングされてきたやり手の上司(片桐はいりさん)、イタリアに嫁いでいった親友(橋本愛さん)などとの交流が描かれ、それぞれに惹きつけられました。
「甘いお酒でうがい」の時も思ったけど、脇役の人もとってもいいんだよなあ。最高。
一見リア充で悩みがなさそうに見えても、当たり前だけど、それぞれの悩みと闘ってるし、孤独もある。
イタリアに嫁いだ親友なんかそれが顕著で、全部が全部ハッピーなんてことはないんだな、と。
だから人との交流で幸せになれるし、楽しかったら笑えるし。
会社に行く道で、上司を見つけて、勇気を出して声をかけてみたからこそ、発見した上司の普段の人柄とか。ああいうの、本当に素敵だなって思う。もう全然、他愛ない会話なのだけど。
そんな温かさがちりばめられていて、
正直、心理描写が独特なところもあり、自分が全部理解できたとは思えないんだけど、全体的にとても幸せになれる映画だった。
コロナ禍というのもあり、映画館に行くのも、少し躊躇したけれども、感染対策をしつつ観に行って本当によかった。
そして、映画とコラボしたドリンクに一目ぼれ。
めちゃおいしかったー!
そんな出会いにも感謝しつつ。
素敵な一日を過ごせました!